M1決勝のネタ分析です。
今回は、マヂカルラブリー1本目のネタについてです。
この文章は、YouTubeに上がっている先日のM1の漫才の映像を見ながら読むと、よく理解できるようになっています。それでは、マヂカルラブリー1本目のネタの台本構成要素をボケを中心に列挙し、分析してみます。
漫才スタイル:フレンチマナー漫才
出だし
どうしても笑わせたい人がいる男です。
--ネタ開始--
フリ:高級フレンチに行くことになった。でもマナーを知らないから教えてほしい。
(フレンチレストランのマナー説明)+ 食事終了時のマナーの認識
(シミュレーション開始)
ボケ1:
震えて動く謎の動きから入店
→シェフを指さして探す動き
→シェフの心臓らしきものを手に持ち数秒経った後に潰す
+マナーどおりの”終わり”
ボケ2:
木を切る
→木でドアを思いっきりどつく
→シェフを探す動き
+丸太をマナーどおり置いて”終わり”
ボケ3:
静かな入り
→静かな入店
→静かにシェフを探す動き
→静かにシェフの心臓らしきものを手に持ち潰す
+マナーどおりの”終わり”
ボケ4:
魔方陣を描く
→指を噛み血を垂らす
→デーモンのような「でもん」を召喚
→でもんがフレンチを求める
→俺ん家に到着(わかりやすく小ボケる)
→「でもん」と言いながら間違っちゃったという顔をする
+(数秒を間を置き)マナーどおりの”終わり”
--ネタ終了--
分析:
全体としては、意外性が大いにあるボケにダイナミックな動きを入れ爆笑をさらった。
まず出だしでは、2017年M1決勝の上沼恵美子さんとのやりとりをフリとした、野田クリスタルの「どうしても笑わせたい人がいる男です。」というボケをつかみとしてネタに入った。そもそもネタの出だし以前に、せり上がりの登場シーンから上沼恵美子さんを意識した正座ポーズから入って来たところが、もう既に物語性のあるボケとなっていた。
ネタ本体では、まずフリとして、村上が高級フレンチレストランでのマナーの説明を行い、野田がそれを理解する事から入った。
「じゃあちょっとシミュレーションしてみる」という合図から、一気に大きく震えながら入店シーンをシミュレーションし始めたことにより、高級フレンチという品格のあるシーンから、いきなりとてもほど遠い動きをし始めたため、その温度差も大きく、出だしから大爆笑という展開となった。
また、このボケが際立っていた際に、このおかしい動きに対する「違うよ」というツッコミを連続で発していたことも、この時の大爆笑をさらに引き立てるものであった。
マナーの“食べ終わり”の食器の揃え方を、ふざけたボケの“終わり”に揃えたところが、それぞれのボケに統一感があり面白かった。
後半尻すぼみという点はあっただろうが、出だしのインパクトがとても強く、「面白かった」という印象が強く残る漫才であった。
会場の
大きい笑いの回数:18
中の笑いの回数:15
小さい笑いの回数:3
笑いの量合計:5
最大瞬間風速:ボケ1の一連の流れ
声の大きさ:4
M1審査員の点数:649
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