お笑いの分析・考察(by やましたゆうと)

お笑いの技術考。事務所無所属。お問合わせ:yamashitayuto.octopus@gmail.com

【お笑い】オードリーオールナイトニッポンイン東京ドームの感想

今さらながら、オードリーの東京ドームライブと現在の若林さんについて感想を書いておく。 ラジオという、密室で数人でコソコソ話しているようなことを、実は数万人も聴いているということが可視化された東京ドームライブ。あえてこう呼んでみるが、陰湿人間…

【お笑い】M1グランプリ2022決勝 ホメホメ分析

ウエストランド優勝おめでとう‼今回も、M1グランプリ決勝ホメホメ分析をやっていきます。今回は、より分析っぽくするために、様々な指数を考えたので、それを当てはめて行こうと思います。まず、笑いのための前提要素、笑いに+の要素、笑いに-の要素に分け…

【お笑い】キングオブコント2022決勝ホメホメ総評!!

ビスケットブラザーズ優勝おめでとう!! では、前回のM1グランプリ2021決勝に続き、キングオブコント2022決勝のホメホメ総評になります。 1組目:クロコップネタ:あっちむいてホイ シンプルな「あっちむいてホイ」を使用してるのが良かったー!カードゲー…

【お笑い】緊張を緩和し笑わせるための「笑わせる刺激」 ~ボケ・ツッコミ、フリ・オチに要素を当てはめて~  

緊張を緩和し笑わせる方法 ⇨緊張を緩和させるため、「笑わせる刺激」を伝えること。 「笑わせる刺激」とは、「相手がその場では気づいていないであろう、気づかされると意外性や納得感があり、かつ安心感や優越感を感じられるような言葉や動き」という刺激で…

【お笑い】大喜利の回答作成のパターン

この記事では、大喜利での上手な回答作成のパターンを必要な要素を踏まえて説明します。この記事に出てくるパターンを活用することにより、大喜利の回答を作る参考になればと思います。 大喜利とは:様々なお題に対し、回答者が面白い回答を述べていくこと。…

【お笑い】キングオブコントの会2022の考察 +コントの構造の単純化

歴代審査員、王者による豪華なエキシビジョン大会! キングオブコントの本番が新人大会だとしたら、こちらは、ベテランのプロによるエキシビジョンでありお手本であり、これを見て若手はこのお手本を目指すしベテラン芸人は新人との完成度の違いを見せられる…

【お笑い】TAIGAさんがもっと売れるには?

読者の方お久しぶりです。 唐突ですが、今回は、オードリー若林さんの師匠であるTAIGAさんがもっと売れる方法について考えてみようと思います。 TAIGAさんは、オードリーやぺこぱの師匠であり、若林さんをはじめ売れている後輩がプッシュしている芸人ですが…

【お笑い】M1グランプリ2021決勝 ホメホメ総評

昨日行われた、M1グランプリ2021決勝の10組の漫才について、ただただ良いところを誉めまくる品評を行おうと思います。では、1組目から、 1組目:モグライダー 「さそり座の女漫才」 まず、音楽が良かったー! さそり座の女を歌う美川憲一を知っている世代に…

【お笑い】フジテレビ選挙特番のお笑い分析

今回の衆議院選挙、フジテレビの選挙特番「Live選挙サンデー」が面白かった。 まじめな選挙開票ライブ番組としても面白かったが、VTRでの議員候補者の紹介が、候補者への皮肉・風刺をしていて「政治家への風刺」という典型的な世界共通の「お笑い」をやって…

【お笑い】ニューヨークのお笑い分析

久しぶりの投稿になります。今回は、あちこちオードリーにて、ニューヨークのお二人が「なぜ売れているのかわからない」と言っていたので、それへの私なりのアンサー記事としたいと思います。 では、ニューヨークの特徴を3つ。 ①時代に合った雰囲気②シュッと…

【お笑い】エガちゃんねるコラボ「567↑8」のお笑い分析

今回は、深夜でのエガちゃんねるとのコラボの新しいチャレンジ的番組「567↑8」のお笑い分析をしてみようと思います。この「567↑8」はTVerで見逃し配信をやってます(有効期限不明)。 この番組の基本として、①エガちゃんねるとのコラボ、②片岡飛鳥監修、③新…

M1決勝2020 ネタ分析「マヂカルラブリー」2本目

M1決勝のネタ分析です。今回は、マヂカルラブリーの2本目のネタについてです。 この文章は、YouTubeに上がっている先日のM1の漫才の映像を見ながら読むと、よく理解できるようになっています。それでは、マヂカルラブリー2本目のネタの台本構成要素をボケを…

M1決勝2020 ネタ分析「マヂカルラブリー」1本目

M1決勝のネタ分析です。今回は、マヂカルラブリー1本目のネタについてです。 この文章は、YouTubeに上がっている先日のM1の漫才の映像を見ながら読むと、よく理解できるようになっています。それでは、マヂカルラブリー1本目のネタの台本構成要素をボケを中…

【お笑い】『サンキュータツオの芸人の因数分解 GetNavi特別編集』サンキュータツオ 著の書評

この本は、私のお笑い分析の第一歩となる本であった。 本の中身は、芸人でもあり研究者である著者のサンキュータツオ氏が、芸人的な目線でのネタの分析と、研究者としての、学術的見地からの分析が書かれている。 中身は漫画での絵と、○○風ネタといことで、…

【お笑い】『とんねるずと『めちゃイケ』の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』ラリー遠田 著の書評

この本は、お笑いライターであり過去にはテレビ制作会社で働いていたラリー遠田氏が書いたものである。 全体の感想としては、やはりなるほどと思う。 業界関係者であるお笑いライターならではの視点。内容構成としては、時代の流れに沿って、古くからあるバ…

【お笑い】『「笑い」の解剖:経済学者が解く50の疑問』中島隆信 著の書評

この本は、慶應大学の経済学者が書いた「笑い」を分析した本である。 「笑い」に関する学術書の中では最も見やすく、わかりやすい内容であろう。 私は、他の本を読んでいても、「本当だろうか?」と疑問に思っていた部分も、この本では解決した。 「笑い」に…

【お笑い】『お前なんかもう死んでいる プロ一発屋に学ぶ50の法則』有吉弘行 著の書評

この本は、今や司会者となった人気芸人、有吉弘行さんの書いた本だが、苦しい時に参考になる本である。 私は辛い時期に参考になり、心が一旦軽くなった。 内容構成としては、「栄光からの転落」の法則、「どん底生活」の法則、「地獄で発見」の法則、「プロ…

【お笑い】M-1グランプリで優勝するには?

今日は、M-1グランプリで優勝するにはどうしたらいいかを考えてみようと思います。 まず、今までのM1優勝コンビのネタを考えてみようと思います。今までの優勝コンビや上位になったコンビでは、大きく2つに分かれると思います。1つは、新しい漫才のひな型…

【お笑い】『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』塙宣之、中村計 著 の書評

こちらは、「ヤホー漫才」でお馴染みのナイツ塙さんの本である。この本では、他の芸人の人とはまた違った、M-1グランプリで優勝できなかった思いや今一歩、大流行とはならないナイツ塙さん自身の思いが書かれた本である。M-1グランプリでは今や審査員となっ…

【お笑い】すゑひろがりずのお笑い分析

今日は、すゑひろがりずのお笑いについて考えようと思います。 すゑひろがりずは、2011年結成、吉本興業所属の向かって左の南條さんと、向かって右の三島さんのコンビです。 2019年M-1グランプリ決勝、2020年R-1ぐらんぷり3位(南條)と近年活躍してきている…

【お笑い】『たくらむ技術』加地倫三 著の書評

この本は、「アメトーーク」や「ロンドンハーツ」、「テレビ千鳥」のプロデューサーであるテレビ朝日プロデューサーの加地氏が書いた本である。 本書の内容はバラエティの制作についてであるが、全体の印象としては、お笑い論というより仕事論といった印象で…

【お笑い】『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』若林正恭 著の書評

この本は、みなさんご存知オードリーの若林さんが書いた著書である。 全体の感想としては、この本は主に、旅行記を装いながら、それにプラスして、社会主義と資本主義のシステムやその文化とそこから感じる若林さんの感情の比較を描いている。 資本主義の生…

【お笑い】『ナナメの夕暮れ』若林正恭 著の書評

この本は、オードリーの若林さんの2015年~2018年に雑誌に連載していたエッセイを元にした若林さんの二作目の著書である。 全体の感想としては、読むと気持ちがスッキリし、優しい気持ちになれる。 繊細な若林さんだからこそ気づく内容であり、割と繊細な人…

【お笑い】『しゃべくり漫才入門 ボケとツッコミの基本、ぜんぶ教えます』元祖爆笑王 著の書評

この本は、めちゃイケ等も担当していた有名な放送作家で、お笑いのスクールである放送芸術学院専門学校にて教える内容が、本となってわかりやすく書かれている。「しゃべくり漫才」の本拠地である大阪の学校で教えている先生だけに、内容も面白い。 内容構成…

【お笑い】『天才はあきらめた』山里亮太 著の書評

この本は、南海キャンディーズ山里亮太さんが若い頃に書いた『天才になりたい』改訂版である。 内容は、山里さんが芸人として売れるまでの半生を描いた自伝である。この本は、何よりも読後感が良い。 月並みだが「ああ、現在女優と結婚して、芸能人として成…

【お笑い】ティモンディのお笑い分析

今日は、ティモンディのお二人について考えてみようと思います。 ティモンディのお二人は、グレープカンパニー所属、オレンジ色のスーツの背の高い高岸さんと、青色のスーツの前田さんのコンビです。 そんなティモンディの特徴について考えてみます。 まず、…

【お笑い】『科学で読み解く笑いの方程式』上下巻 小林亮 著の書評

この本も大いに参考になった本である。 中身の特徴は、科学的な見地から「笑い」を分析したもので、前出のサンキュータツオ氏のようなネタ分析ではなく、「笑い」そのものに焦点を当てている。 科学者ということであって、笑いに関する医学論文にまず当たっ…

【お笑い】『悪意とこだわりの演出術』藤井健太郎 著の書評

この本は、「水曜日のダウンタウン」や年末特番の「クイズ正解は1年後」といった特色があり話題となる番組のプロデューサーである藤井健太郎氏の著書だ。 私の既刊の『お笑い分析 中級』でもこの藤井氏を取り上げたが、彼は、今現在放送後に常にSNSでトレン…

【お笑い】ピン芸人よりコンビ、トリオ芸人が売れやすい理由

今日は、ピン芸人よりコンビ、トリオ芸人が売れやすい理由を考えてみようと思います。みなさんがよく知る売れてる芸人では、ピン芸人よりも圧倒的にコンビ、トリオ芸人が多いと思います。その理由は何でしょうか。ずばり、「引き出しの多さ」と「安心感」で…

【お笑い】お笑い理論とトークスキル

今日は、お笑い理論かつトークスキルの「溜めと発散」について考えてみようと思います。お笑い理論では、有名な「緊張と緩和」がありますが、似ている考えですね。 ところで、みなさんは小説は読むでしょうか?私は、星新一さんなどの短い小説はよく読むので…