お笑いの分析・考察(by やましたゆうと)

お笑いの技術考。事務所無所属。お問合わせ:yamashitayuto.octopus@gmail.com

【お笑い】『お前なんかもう死んでいる プロ一発屋に学ぶ50の法則』有吉弘行 著の書評

お前なんかもう死んでいる プロ一発屋に学ぶ50の法則

 この本は、今や司会者となった人気芸人、有吉弘行さんの書いた本だが、苦しい時に参考になる本である。

私は辛い時期に参考になり、心が一旦軽くなった。

内容構成としては、「栄光からの転落」の法則、「どん底生活」の法則、「地獄で発見」の法則、「プロ一発屋」の法則、「現代人へ贈る」法則という、全部で50の「法則」という形の構成である。

これは、有吉さんのブームとなった時の生活から売れない時期を経て、復活の時系列に、逐一法則を載せたものである。

みんな辛い時期はある。辛い時期には、人の辛い話を聞いても直らないばかりか、人の辛い時の話まで追加で聞きたくなんかないかもしれない。

しかし、この有吉さんの文章は、何かそんなどん底にいる時に希望が持てる文章だ。

どん底生活からの地獄で見えてきたものとしての、「「逃げ道」を作っておくのって大事ですよね」や小見出しの「努力なんかしても無駄なときに努力しようとするヤツは馬鹿だ!!」の項が特に参考になる。

そこには、「努力するなら、仕事があるうちになんとかしといたほうがいいと思います。」とあるが、これに関しては、私の実体験からも言える。

仕事での努力を見せる機会もなければ、なかなか努力・辛さが報われない。

今、この書評を書く際に、有吉さんのどん底生活を読み返すと心が少し辛くなったが、しかし今の画面越しでのイキイキしている有吉さんを見ればそんな気分も吹き飛ぶ。

そんな「地獄」からの、後の章にあるような学んだ教訓は読者に刺さる。

後に上手くいったからこそ、有吉さんの著書になっているのだろうが、他の芸人の著書でもあるように、苦しい時を超えると、誰にもいい時期が待っているのかもしれない。