お笑いの分析・考察(by やましたゆうと)

お笑いの技術考。事務所無所属。お問合わせ:yamashitayuto.octopus@gmail.com

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

【お笑い】『サンキュータツオの芸人の因数分解 GetNavi特別編集』サンキュータツオ 著の書評

この本は、私のお笑い分析の第一歩となる本であった。 本の中身は、芸人でもあり研究者である著者のサンキュータツオ氏が、芸人的な目線でのネタの分析と、研究者としての、学術的見地からの分析が書かれている。 中身は漫画での絵と、○○風ネタといことで、…

【お笑い】『とんねるずと『めちゃイケ』の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』ラリー遠田 著の書評

この本は、お笑いライターであり過去にはテレビ制作会社で働いていたラリー遠田氏が書いたものである。 全体の感想としては、やはりなるほどと思う。 業界関係者であるお笑いライターならではの視点。内容構成としては、時代の流れに沿って、古くからあるバ…

【お笑い】『「笑い」の解剖:経済学者が解く50の疑問』中島隆信 著の書評

この本は、慶應大学の経済学者が書いた「笑い」を分析した本である。 「笑い」に関する学術書の中では最も見やすく、わかりやすい内容であろう。 私は、他の本を読んでいても、「本当だろうか?」と疑問に思っていた部分も、この本では解決した。 「笑い」に…

【お笑い】『お前なんかもう死んでいる プロ一発屋に学ぶ50の法則』有吉弘行 著の書評

この本は、今や司会者となった人気芸人、有吉弘行さんの書いた本だが、苦しい時に参考になる本である。 私は辛い時期に参考になり、心が一旦軽くなった。 内容構成としては、「栄光からの転落」の法則、「どん底生活」の法則、「地獄で発見」の法則、「プロ…

【お笑い】M-1グランプリで優勝するには?

今日は、M-1グランプリで優勝するにはどうしたらいいかを考えてみようと思います。 まず、今までのM1優勝コンビのネタを考えてみようと思います。今までの優勝コンビや上位になったコンビでは、大きく2つに分かれると思います。1つは、新しい漫才のひな型…

【お笑い】『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』塙宣之、中村計 著 の書評

こちらは、「ヤホー漫才」でお馴染みのナイツ塙さんの本である。この本では、他の芸人の人とはまた違った、M-1グランプリで優勝できなかった思いや今一歩、大流行とはならないナイツ塙さん自身の思いが書かれた本である。M-1グランプリでは今や審査員となっ…

【お笑い】すゑひろがりずのお笑い分析

今日は、すゑひろがりずのお笑いについて考えようと思います。 すゑひろがりずは、2011年結成、吉本興業所属の向かって左の南條さんと、向かって右の三島さんのコンビです。 2019年M-1グランプリ決勝、2020年R-1ぐらんぷり3位(南條)と近年活躍してきている…

【お笑い】『たくらむ技術』加地倫三 著の書評

この本は、「アメトーーク」や「ロンドンハーツ」、「テレビ千鳥」のプロデューサーであるテレビ朝日プロデューサーの加地氏が書いた本である。 本書の内容はバラエティの制作についてであるが、全体の印象としては、お笑い論というより仕事論といった印象で…

【お笑い】『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』若林正恭 著の書評

この本は、みなさんご存知オードリーの若林さんが書いた著書である。 全体の感想としては、この本は主に、旅行記を装いながら、それにプラスして、社会主義と資本主義のシステムやその文化とそこから感じる若林さんの感情の比較を描いている。 資本主義の生…

【お笑い】『ナナメの夕暮れ』若林正恭 著の書評

この本は、オードリーの若林さんの2015年~2018年に雑誌に連載していたエッセイを元にした若林さんの二作目の著書である。 全体の感想としては、読むと気持ちがスッキリし、優しい気持ちになれる。 繊細な若林さんだからこそ気づく内容であり、割と繊細な人…

【お笑い】『しゃべくり漫才入門 ボケとツッコミの基本、ぜんぶ教えます』元祖爆笑王 著の書評

この本は、めちゃイケ等も担当していた有名な放送作家で、お笑いのスクールである放送芸術学院専門学校にて教える内容が、本となってわかりやすく書かれている。「しゃべくり漫才」の本拠地である大阪の学校で教えている先生だけに、内容も面白い。 内容構成…

【お笑い】『天才はあきらめた』山里亮太 著の書評

この本は、南海キャンディーズ山里亮太さんが若い頃に書いた『天才になりたい』改訂版である。 内容は、山里さんが芸人として売れるまでの半生を描いた自伝である。この本は、何よりも読後感が良い。 月並みだが「ああ、現在女優と結婚して、芸能人として成…

【お笑い】ティモンディのお笑い分析

今日は、ティモンディのお二人について考えてみようと思います。 ティモンディのお二人は、グレープカンパニー所属、オレンジ色のスーツの背の高い高岸さんと、青色のスーツの前田さんのコンビです。 そんなティモンディの特徴について考えてみます。 まず、…

【お笑い】『科学で読み解く笑いの方程式』上下巻 小林亮 著の書評

この本も大いに参考になった本である。 中身の特徴は、科学的な見地から「笑い」を分析したもので、前出のサンキュータツオ氏のようなネタ分析ではなく、「笑い」そのものに焦点を当てている。 科学者ということであって、笑いに関する医学論文にまず当たっ…

【お笑い】『悪意とこだわりの演出術』藤井健太郎 著の書評

この本は、「水曜日のダウンタウン」や年末特番の「クイズ正解は1年後」といった特色があり話題となる番組のプロデューサーである藤井健太郎氏の著書だ。 私の既刊の『お笑い分析 中級』でもこの藤井氏を取り上げたが、彼は、今現在放送後に常にSNSでトレン…